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今村組列伝5…勇気とは…今村組女戦士・・・
今回はリーダーやセンターの話しではなく新人の事を書きたい。

名前は「しほな」。
大阪寝屋川今村組龍神会に今年4月に入団した高校3年生だ。
彼女の入団とほぼ同時に始まった札幌練習。
彼女はすぐに希望して練習に参加した。

私は彼女の事はあまり知らない…と言うよりほとんど知らないと言ったほうがいいかも知れない。
ただ彼女の屈託ない笑顔の向こうに何か「影」めいたものを感じ目をかけていた。

体の大きい彼女に私は「男隊」をすすめ、彼女はがんばって取り組みだした。


しかしついて行けない・・・
それは当たり前の事だ。
男隊のリーダーは龍太、隊長はひろや(スキルテストNO1)・ユウジ(インストラクター)他にもスキルテストSクラスやA1クラスがごろごろいて、3年以上、5年以上のベテランもいっぱいいる男隊の練習についていくのは至難の業である。

私は子ども達によく言う。
「『ここまでおぼえてこい!』という宿題が出たらおぼえてこい!1分でおぼえられる子は1分でいい。1時間かかる子は1時間やってこい。10時間かかる子は10時間。『私、5時間もやったんです!』そんなことは知らん。宿題は5時間やれ!ではない。おぼえてこい!が宿題や!」と。

しほなは「逃げ」にはいった・・・後ろ向きになり出した・・・練習もやらなくなり・・・
屈託なく満面の笑顔のしほなの顔からいつしか笑顔が消えていた。

「ここで逃げよんのやったらそれも仕方ない・・・」
そう思っていた。



ある日の練習。
男隊だけでの踊り。。。
続いて男隊の中で全く踊れていないメンバーだけが再び練習場の真ん中に呼び出された。
当然、しほなもいる。

その時!!
しほなはこともあろうか、全くやる気のないふてくされた態度を見せた。

綾の怒声が練習場に鳴り響いた。
「なんじゃワレその態度は!やる気ないんやったら帰れ!龍神会も辞めてしまえ!」

綾はしほなの前に行き激しく詰め寄った。
それでもしほなのふてくされた態度は収まらず・・・綾の怒りが頂点に達ししほなを平手で殴りつけた。
「おまえもう帰れ!そんな奴はうちにはいらんのじゃ!」

そしてその後、綾はこんこんとこう語っていた。
「自分の人生、逃げて変えてええんか。ここでふんばるか、逃げるかでしほなの人生は全く変わるんやで。逃げて変える人生に成功のゴールはないと思う。ここは最後もう1回ふんばってみいや。」


それでも・・・・・

しほなは憮然と練習場を後にした。

「札幌辞めます。龍神会も辞めます・・・」と言い残し。



綾は私に「すみません。なんとか踏ん張らせたかったんですが・・・力不足です。。。」とわびた。

私は「しかたないで。全ての子が逃げずにふんばれる訳はない。ましてやその子、その子を詳しくしった上でつきあっている訳やないねんから・・気にすんな」と。



















しほなが去っても練習は進んだ。。。


みんなの心に何かひっかかるものを残しながら。。。。


しほなが去って4時間後夕方6時。
練習終了間近・・・・



ふと振り返った私の目に飛び込んできたのは「しほな」の姿だった。

「すみません・・・帰ろうとしたんですが・・・本当にこれでいいのか・・・私はこれでいいのか・・・って考えると途中の駅で降りてました・・・降りて・・・・ずっと考えて・・・・やっぱり、やっぱり戻ろう!ってそう思いました・・・・もう一回チャンスください!」


どれほど悩んでどれほど苦しんでどれほど勇気を出して戻ってきたのだろう。





次回の練習。。。
前から練習を見ていると私の目には男隊5列目にもかかわらず「しほな」の姿しか見えなかった。
飛び抜けて踊りがうまい訳ではない、いやむしろ他の男メンバーと比べるとはるかに見劣りするしほなの踊り。

しかし、そこには必死に前に進もうとする「今村組そのもの」の姿があった。



6月9日、しほなの姿は北海道夕張にあった。
夕張清水沢駅前広場を照らす夕焼けの中に今村組未来の女戦士の姿が浮かび上がっていた。
夕闇がせまる景色の中で、その姿はそれでもくっきりと浮かび上がっていた。


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by e-than-kki | 2011-06-28 09:17