2008年 06月 19日
小学生、天窓転落事故
昨日、小学生が算数の事業中、屋上の天窓を突き破って落下し、死亡するという痛ましい事故が発生した。
まずはこの痛ましい事故で犠牲になった小学生とご両親、ご家族の皆様に心からお悔やみ申し上げます。 このような事故が再び起こらないように以下に私なりの観点で検証していきたい。 天窓破れ転落!小6男児死亡…算数の体験授業中3階屋上から1階に6月19日8時1分配信 スポーツ報知 18日午前9時25分ごろ、東京都杉並区の区立杉並第十小学校で、3階屋上にある半球状の天窓を破って小学6年の男児(12)が1階まで転落、全身を強く打ち、搬送先の病院で約3時間後に死亡する痛ましい事故が起きた。当時は算数の体験授業中だった。夜に開かれた緊急保護者会では、学校側の安全管理を問題視する声が多数上がった。 亡くなったのは同区の会社員・中村俊晴さん(44)の長男の京誠(きよまさ)くん=写真=。警視庁杉並署などによると、当時は算数の授業中で「10メートル歩いて何歩になるか」という距離を計測する体験学習中だった。中村くんのクラスは教室から屋上に移動し、歩数を測っていたという。 終業チャイムが鳴る10分前の9時25分ごろ、引率していた女性教諭(49)の指示で、児童が教室に移動していたとき、中村くんが、半球状の天窓を突き破って12メートル下のコモンスペースと呼ばれる広場に転落。中村くんは、当初は意識はあったが、病院に運ばれ、午後1時17分に死亡が確認された。 天窓はアクリル性プラスチックで、厚さ4ミリ。内側に厚さ7ミリの板ガラスが敷かれていた。学校側は、小学生が乗っても耐えられる強度という認識だったようだが、1986年に校舎が新築されてから22年間、取り換えられることはなく、日照により劣化していたと見られる。点検は06年10月にしているが、これまで点検は目視だったという。 屋上は普段は施錠されており、教職員の立ち合いがなければ、児童は屋上に上がることはできないという。屋上には天窓が5か所あり、段差はあるものの、囲いはなく、屋上に上がれば、だれでも近づくことは可能。児童が大勢で騒いでいれば、つまずいて天窓に倒れたり、しりもちをついたりする危険性もある。引率の教諭は中村くんが天窓から落ちた状況を見ていなかったという。 同校の宮山延敬校長はこの日午後4時から区役所内で記者会見。「どこよりも安全でなければならない学校で事故が起きてしまい、深くおわびします」と沈痛な表情で謝罪した。「指導していた教諭は、子どもが(上に)乗って落ちるという危険性は予見できなかったと思う」とかばった。一方、同席した井出隆安教育長は「安全管理を徹底しないまま授業をしていたのは、決して好ましいことではない」と話し、学校側の姿勢に疑問を示した。 いったいどこに問題があったのか、そしてそれは未然に防げたものなのか。。。 まず算数(それ以外でも)の授業で「野外」ないし「体育館」「屋上」出る事は体験学習的にはよくある事でそれ自体は大きな問題はない。 ただこのような「天窓」がある場合、特に防護壁などがない場合、十分な安全指導をする必要は当然のごとく出てくる。 この点に関しては学校や担任の責任を問われるのは致し方ない事ではある。 日本の教育の歴史において何十年か前、学校、特に中高校がひどくあれた時期がある。 その後、それを防ぐために徹底した管理教育が推し進められた。 その後の「管理教育」はだめだと言う考えのもと、必要な「管理」もないがしろにされてきたのもまた事実である。 教師に必要な力は「指導」「管理」「人格」の力である。 必要な「管理」もまたあるのである。 それは「安全」「人命」にかかわること、「緊急」かつ「重要」であること、「人権」に関わる事である。 私が現役小学校教師だった頃は家庭科の授業で、必ず授業前に「針の本数の点検」を行った。 まず①自分で点検②それを班に報告③班の違う児童がさらに点検し、そして授業を開始した。 更に授業終了後、①自分で針の本数を点検②班に報告③更に班の別の人間が点検した。 クラスの中で針が1本でもなければその後の授業を中止して出てくるまで全員で探し続けることもした。 それはなぜか?おわかりと思うが針は折れて体内に入ると動脈に乗り、心臓に向かう。 最悪な場合、心停止をも考えられるからである。 この担任の先生は「まさか天窓に乗るとは予見出来なかった」と言っている。 その通りだろう、全く予見できなかったのだろう。 それはその先生の完全管理意識の低さから来るものではあるが、上に上げた私の徹底した安全管理意識は教師としての私自身の中から生まれたものではなく、私を育ててくれた先輩教師から徹底して教え込まれたものだ。 「安全管理が出来てこそ教師」「学校の全ての箇所に危険箇所はある」「子どもは考えられない行動を取るもの」・・・・・・そう教えられた。 今や学校の中ではその一番大切な先輩から後輩へと現場で生きる大切な教訓を教え、教えられる環境が完全に破壊されている。 いわゆる「教師分断政策」である。 「教師は校長の言う事を聞いていればいい」「職員会議は校長からの職員への連絡会議。採決を取る事も認めない(東京都)」「自由な研修など必要ない」など学校現場がますますやる気をなくし、物言わぬ教師を作る政策の賜物である。 教師は大学を卒業すればすぐ教師になる。 この担任の先生が今年大学を卒業したばかりの新任先生なら、今回の事を予見出来なかった事をどこまで責める事が出来るだろうか。 なぜなら、教師になるための必要な学習を受ける大学では「安全管理」における現場的な徹底した指導など受けていないからである。 次に屋上の天窓の周りになぜ防護策が張られていなかったのか?と云うハード面の問題について検証していきたい。 新設の学校を建築する時・・・・・・・・ 自宅を新築する時と重ねて考えてみよう。 自宅新築の時にキッチンは誰の意見を聞くだろうか? その答えは当然お分かりだろうが、一番キッチンを使用する人間・・・・多くはその家庭のお母さんの意見を尊重する・・・・というか、その意見に従う。 なぜならば、そこは、その現場「キッチン」に生きる「現場の人」の意見が一番重要かつ的確である事を家庭全員が知っているからである。 ではひるがえって学校新築(改築も含め)の場合は?・・・・・・ 当然、その現場で生きる「現場教師」の意見が一番重要かつ的確であることは誰もが認める事であろう。 しかし、現実はそうではなく、私の知っている限り、(京都では)現場の意見は徹底的に無視される。 「○○校新設準備会議」「○○校改築会議」なるものに現場の教師がメンバーとして加わる事は皆無である。 その結果、今回のような「現場を知っている者(子どもは考えられないような危険な行為をする場合がある)」からすると考えられないような「天窓」の設置が行われるのである。 私は現役時代、ある学校に赴任してすぐに校庭のすみに直径1m程度の日時計が設置されているのに気がついた。 その日時計の針(上部に突き出た太陽の影を作り出す部分)があまりにも鋭利で、そこに子どもが倒れ込む体を貫通する可能性があると考え、すぐに管理職に上奏した。 何回も何回も・・・・・・ その日時計に透明強化プラスティックが覆われたのは1年半後だった。 「私がこれだけ何回もその危険性を上奏しているのですから、もし本当に何かあれば、間違いなく管理職、特に校長の管理責任が問われますね。裁判になったら間違いなく校長負けますね。私だったら自腹きってでもプラスティックドームですぐにでも覆いますがね・・・」の言葉でやっと校長が動いたのだった。 本当に自腹を切って校長はそれを設置したのである。 なぜならば・・・・・・・ 学校には全く「金(予算)」がないのである。 3学期ともなると出張旅費は底をつき、校長、教頭の出張旅費などは計上できない状態になることもよくある。 「公務員の無駄遣い」が世の中を騒がしている昨今だが、それは官僚はじめほんの一握りの話である。 末端の公務員、教師などPTAなどの休日出勤に対する経済的保証は皆無である。 全て自腹である。 何回も申し上げますが、今回の事故は本当に悲しい事故だしご両親の心中察するといたたまれなくなる。 その担任の責任を回避するために今回のブログをあげたのではない。 このような事故を二度と起こさないために、一般に方にはとうてい見ることの出来ない「現場」からの問題点を列挙した。 担任一人の資質にするのは簡単である。 学校だけの責任にするのは簡単である。 しかし、もっと考えなければならない問題点はある、そのことに気づいて欲しい。 それがこのような事故を再び繰り返さないためにも絶対必要なことだから。。。。 ※この場を借りて・・・・・・・・・・・・・ 今回私の体調不良でご迷惑をおかけしています講演先や講演先の皆様に心からお詫び申し上げます。 1日も早く体調を整え、ご迷惑をおかけした分を取り戻したいと考えています。 なにとぞ、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
by e-than-kki
| 2008-06-19 10:14
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今村組創始者・現グループ総代表の「イーサン」こと「今村克彦」の愛と戦いの日々
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